虫もみんな家が好き
登場人物
3歳兄 たかし(仮)
とーちゃん
夕方、幼稚園の帰り道。
「幼稚園楽しかった?」
「うん、幼稚園きらーい」
はい、たかしは幼稚園が嫌い。年少組に入園して約1ヶ月、毎日遅刻・・・
たかしのモーニングルーティンは、朝ごはんいらない、オムツ替えたくない、制服着替えたくない、幼稚園行きたくないの四重奏、カルテット!!
朝から美しいハーモニーですわ!!
これで、1日の体力の半分はもっていかれる。
で、帰り道の話に戻と、
「そっかーキライかー、今からは家でいっぱい遊べるで!とーちゃんとブロックで遊ぶか?」
「ミッキーみるわ」
あ、さいですか。
家に着いて、自転車から降りると、家の外壁に毛虫を発見。
「みて、とーちゃん!!なんかいる!」
「何見つけたん?あー、毛虫やな。虫やわ、虫」
「宇宙人ちゃう?」
「宇宙人ちゃうわ、毛虫言うてるやん。ちょっと動きがキモいけど、虫さんの仲間!」
「あー、虫か。なんで虫ここいる?」
「さー、なんでやろな。たかしは、なんでやと思う?」
「お家好きなんちゃう」
はー、子供の発想って何気ないところでおもろいなーと感心する。
「なるほどねー!毛虫もたかしの家好きなん?」
「そう。家入れてあげたほうがいいんちゃう」
これは、答えを間違えるとめんどいやつや!!
伊達に君の父親を3年やってないのだよ!!
「毛虫にもお家あるから、勝手に連れて帰ったら、みんな心配するんちゃうかなー。たぶんいまは、散歩してるんやで」
いやー、我ながら100点の回答!!完璧!
「でも、この家好きなんちゃう?とーちゃん虫さんのお家行ってきていいよー」
え、なにそれ?とーちゃんは毛虫と同レベルなん?とーちゃんは毛虫と交換するぐらいの価値しかないの??
「え?とーちゃん毛虫のお家知らんねんけど。とーちゃんもお家入っていい?」
「ダメよー」
マジすか。毛虫ってどこに住んでんのかな・・・
「かーちゃんとたきちゃんは虫キライやから、お家連れて行ったら、かーちゃんにめっちゃ怒られんで。(とーちゃんが)」
「そうか、たかし君お家帰るわ。虫さんバイバイ」
「とーちゃんもお家入っていい?」
「うーん、いいよー」
近所の虫さんたちへ
私の家には近づかないでください。
変わりに私があなたの家に行くことになります。
ご近所同士、win winの関係を築きましょう。