なつめ家の日常

子供って親に無慈悲すぎません?

イオンは控えめに言って神

登場人物

3歳兄 たかし(仮)

0歳妹 たき(仮)

ちち

はは

 

土曜日の昼、家族で近所のイオンに買い物に来た。

「パパ、私とたきはスーパーで買い物するから、たかし連れて30分ぐらい時間つぶしてきて」

「承知」

楽勝。イージーモードすぎるわ。

イオン2階のコインゲームコーナーに歴戦の戦果で得た数百枚のコインストックがある。30分なんて余裕やわ。

 

「たかし、かーちゃんとたきちゃんは買い物行くから、たかしはとーちゃんと2階のゲームコーナ行こや」

「イヤや。かーちゃんと一緒買い物行く。とーちゃん一人で行ってきてええよ」

なんでやねん。違うぞ息子よ。なんでええ歳して1人でゲームコーナーでメダルゲームせなあかんねん。

ママから与えられたミッションをこなさなあかんのや。ただ、これぐらいの返答は想定の範囲内

 

「あー、しまった!!とーちゃんゲームコーナー場所忘れてしもた!たかしが連れてってくれたら、めっちゃ助かるわー」

「なんで、とーちゃん1人で行けない?迷子なるか?」

「そうやねん!とーちゃん迷子なるねん!だから一緒に来て欲しいなー」

「あー、そうかー。とーちゃんダイゴなるかー」

「誰がダイゴやねん。さっき普通に言えてたやん。まぁええから、行こかー」

「はーい」

気が変わらないうちに、足早にたかしを連れてゲームコーナーに行き、ストックのコインを引き出す。

 

「たかし、まず何からする?」

すると、たかしはコインコーナーではなく、まるで最初からこれに決めてましたよと言わんばかりに、1回100円のボウリングのゲーム機の前で立ち止まる。

「これしる」

いやー、今日はメダルゲームの日なんですわー

「たかし君これしる」

「おー、そうかー・・・ザンネンやけどこれはコインじゃできないゲームやねん。あっちでじゃんけんのゲームしようや。」

「なぜできない?これもコインいれれるよ」

「あー、そうやな!!たかしめっちゃ賢いやん!お金もコインも同じ形で同じ色やもんな。ほんで、コイン入れるとこあるもんなー!でもお金とコインは違うねん。これはねー、ニセモノのお金やからボウリングでけへんねん」

「違うくない!違う言わんといて!コインでゲームできるよ!これしるの!」

ダメですわ!説明がクソすぎて、まったく伝わらん!いや、でもこれ説明できる親いる?

 

だがしかし、このままやと、計画がパーになる。

奥の手を使うか、今日も。・・・よくばりパスッ!

よくばりパスは、幼児向けのゲームが1時間1000円、30分500円で遊び放題になり、しかもコインも貰えるというイオンの神サービス!

 

たかしは、以前この神パスを使ってボウリングを10ゲームプレイする熱狂的信者。1回やると長時間プレイは必死!

しかも、かーちゃんからのミッションは30分。出費になるがこのパスを買えばミッションクリア!必要経費ッ・・・!

 

「ボウリングするんやったら、先にレジ行って、店員さんにボウリングさせてーって言いに行こか」

「そうかー、いいよー」

30分パスを買ってボウリングに戻ってきて、さっそくゲームをプレイするたかし。1投目を投げて7本のピンを倒してご満悦!2投目のボールがゲーム機から出てくる。

「あー、楽しかった。お家帰ろうか。」

 

 

は?

 

 

え?いま、帰るって言った?

 

1投だけやで??もうゲーム終わり?ボウリングってそんなシビアな競技やったっけ?

 

 

しかもかーちゃんのとこに行くでもなく、家に帰る???

 

 

いや、どう考えてもそうはならんやろ。

 

 

「・・・あー、もうええの?まだ1球しか投げてないで?」

「うん、いいよ。ボウリング楽しかった。」

 

 

楽しかったかーーーーー!!!なら、しゃあないな!うん!仕方ない!!

 

そんなわけないやん!!!

 

 

こちとら500円払ってるんですよ!1投500円のボウリングとか、ラウンドワンでも1ゲームできるわ!!

 

「じゃあ他のゲームする?」

「しない、家帰ると言っている」

このミョーな言い方もどこで覚えんねん!!

 

「あっちのバケツにボール投げるゲームはどう?楽しそうやで!!とーちゃんやろっかなー」

「とーちゃん1人で遊んでいいよ、たかし君はおうち帰るね」

なんでおっさんが1人で、コイン片手に幼児向けのゲームせなあかんねん!!

このなったら最終兵器、ださなあかん・・・

 

「じゃあ、サーティワンでアイス食べよか!」

「アイスー!いいよー!いちごのアイスあるかなー。ストベリーアイスー」

「ストロベリーね」

ありがとうサーティワン。本当にありがとう。

引き出したコインをそのままストックして、パスを店員に返却し、早足でサーティワンに向かった。

 

アイスを食べ終わる頃に、ママとたきがやってきた。

「時間をつぶせと言ったが、なぜアイスを食べている?」

「いや、いろいろあったんよ。ジャンプで連載できるぐらいの大冒険やで、聞く?」

「私のアイスは?」

「え、無視?大冒険の話いらない?ちな、アイスは買ってないけど」

キャラメルリボン

「・・・承知」

ゲームコーナーの横にサーティワンがあるなんて、イオンは控えめに言って神